4年間で、バランスチェアを2種類使いました。
正確に言うと、我が家には今3脚あります。1脚は私が、もう1種類の2脚は子どもたちが使っています。最初に買った1脚は、子どもに取られました(笑)。
先に結論を書きます。
腰は楽になりました。ただし、上半身の姿勢まで勝手に直してくれるわけではありません。 そして種類の違うこの2脚は、まったく別物でした。
4年で3脚になった経緯
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 〜2022年 初夏 | 背もたれが壊れた簡易事務チェア |
| 2022年6月 | バランス イージーを導入 |
| そのあと | 子どもに取られる。下の子も欲しがり、リサイクルショップでもう1脚 |
| 2022年末〜約2年 | また壊れた椅子、あるいはリビングの椅子でPC作業 |
| 2024年4月 | 昇降式デスクを購入 |
| 2024年10月 | バランス シナジーを導入=現在の私の椅子 |
一直線ではありません。椅子を買って、それを子どもに奪われて、壊れた椅子に戻って、また違う椅子を買っています。この行ったり来たりが、結果的に2種類の椅子を比べられる材料になりました。
買った理由は、腰痛でした
私はもともと腰痛持ちです。学生の頃にサッカーで腰を痛めて腰椎分離症と診断され、さらにヘルニアも抱えています。不定期に出る痛みを、だましだまし付き合ってきました。
マットレスを10万円のものに買い替えた話でも書きましたが、私の対策はずっと「寝ている時間」に向いていました。1日の3分の1を過ごす場所だから、そこを変えれば効くだろう、と。
実際それは効きました。でも、残りの3分の2は起きている時間です。そして私は、その時間の大半を座って過ごしていました。
そこに気づいたとき、次に見るべきは「姿勢」だと思ったんです。
そして提案してくれたのは、妻でした。
(※ここ、我が家では毎回このパターンです。マットレスも枕も、きっかけは妻でした)
実は、それまでの椅子は壊れていました
白状しておくと、買い替えのきっかけはもう一つありました。
それまで使っていた簡易的な事務チェアは、背もたれが壊れていたんです。
もう買い替えなきゃな、とは思っていた。そこに「姿勢を正す椅子」という選択肢が出てきた。タイミングが重なった、というのが実際のところです。

1脚目:バランス イージー
膝を乗せる台が付いた、背もたれのない椅子です。メーカーはこれを「立つように座れる椅子」と呼んでいます。

使ってみて感じたのは、安定感でした。お尻と膝の2点で体を支えるので、座る位置が決まる。背もたれがないことへの違和感は、ほとんどありませんでした。
……というと格好いいのですが、種明かしをすると、それまで使っていた椅子の背もたれが壊れていたからです(笑)。すでに背もたれのない生活に慣れていた。予期せぬ準備運動でした。
高さ合わせは、取扱説明書を見ながら、意外とすんなりいけました。 調整用の穴が複数用意されているので、体格に合わせて柔軟に決められます。
気になった点も書いておきます。
カバーの向きが分かりにくい。 お尻側の台座のカバーを洗濯したあと、元に戻そうとするのですが、どちらが前か分かりづらく、付け終わってから間違いに気づくことがあります(これはシナジーでも同じでした)。
子ども用の机と合わない可能性があります。 うちは大丈夫でしたが、机の高さによっては机の下と椅子が干渉するかもしれません。子ども用に検討している方は、買う前に机とのサイズを確認したほうがいいと思います。
そして、子どもに取られました
子どもが座りたがったんです。
この手の椅子、メーカーが主に想定しているのは実は子どもです。リビング学習で姿勢が崩れるのを防ぐ、という文脈で売られていることが多い。イージーの適応身長は110〜180cm。最初から子どもも入っています。
我が家も、例外ではありませんでした。そして先に使っているのを見て、もう一人も欲しくなる。2脚目は、同じ種類のものを近所のリサイクルショップで買いました。
姿勢のためというより、単純にうらやましかったんだと思います。姿勢の椅子って、そういう広がり方をするんだな、と思った出来事でした。大人の私は腰痛から入りましたが、子どもは「面白そう」から入る。入口はどちらでもいいのかもしれません。

空白の2年間 ── 記憶は曖昧でも、記録は残っていた
椅子を明け渡した私は、また壊れた事務チェアに戻りました😢 リビングでPC作業をするときは、普通のダイニングチェアです。
この期間、約2年。
正直に書くと、この2年で腰痛がどうだったかを、私ははっきり覚えていません。 悪化した記憶も、良くなった記憶も、鮮明には残っていない。
ただ、行動の記録は残っていました。
この期間の途中、2024年の4月に、私は昇降式デスクを買っています。
椅子ではなく、机を先に買っている。同じ姿勢を続けないために、少しでも何かしよう——そう考えた結果だったはずです。わざわざそんな買い物をしたということは、たぶん何かしら困っていたんだと思います。
記憶より、買い物の履歴のほうが正直かな。
そしてもう一つ。この時期、私は自宅での筋トレも続けていました。
今になって振り返ると、椅子がなかった2年の私は、たぶんこう考えていたのだと思います。椅子を変えても、上半身を維持するための本質的な部分は別にある。 だから机で姿勢を変え、筋トレで支える力のほうを保っておこう、と。
言葉にしていたわけではありません。でも打っていた手は、確かにその方向でした。
そして半年後の2024年10月、ようやく椅子にも動きがありました。
2脚目:バランス シナジー
2024年の秋、今の椅子を迎えました。バランス シナジーです。

同じメーカーの、同じ「姿勢の椅子」。でも座ってみたら別物でした。
| バランス イージー | バランス シナジー | |
|---|---|---|
| メーカーの呼び方 | 立つように座れる椅子 | 歩くように座れる椅子 |
| 膝当て | あり | なし |
| 座面 | 通常のシート | サドル型(座面高 485〜665mm) |
| 動き | そり状の脚 | 前後・左右に揺れる |
| 本体重量 | 7.0kg | 4.7〜4.9kg |
| 設置面積 | 幅53×奥行62〜72cm | 幅33×奥行35.8cm |
数字にすると、設置面積は約3分の1、重さは約3分の2。実際に使っていても、この差ははっきり感じます。
私が感じた、それぞれの良し悪し
| バランス イージー | バランス シナジー | |
|---|---|---|
| 良かったところ | 膝も支えるので安定感があり、疲れにくい。座る位置が決まるので、意識しなくても姿勢が保たれる | 省スペースで軽い。動かすのも片付けるのも苦にならない |
| 気になったところ | 場所を取る。重い。 カバーの向きが分かりにくい。膝当ての隙間に汚れが溜まる(後述) | 足が固定されないので遊びやすい。自分に合うポジションを見つけるのに苦労した |
シナジーは脚がそり状にカーブしていて前後に揺れるので、「どこに座れば正解なのか」が最初は分かりませんでした。揺れる分、姿勢を保つ仕事の割合が自分側に寄ります。だから私の実感としては、イージーのほうが楽でした。
……と、ここまで書いて気づいたことがあります
この記事を書きながら、メーカーの説明を読み返していて、ハッとしました。
シナジーが想定しているのは、太ももとお腹の角度が約120度になる座り方(メーカーはこれを「バランスシッティング」と呼んでいます)。それが自然にできる高さに座面を合わせるのが前提です。
私の設定、その高さになっていなかったかもしれません。
シナジーの座面高は485〜665mmまで動きます。18cmの幅がある。そのどこに合わせるかで、座り心地はまるで変わるはずです。
書きながら気づいて、たった今、調整し直しました(笑)。
なので上に書いた「イージーのほうが楽だった」は、私の設定が最適でなかっただけという可能性があります。しばらく使ってみて、感想が変わったらこの記事に追記します。
念のため書いておくと、これはこの2種類の優劣の話ではありません。支えてもらう椅子と、支え合う椅子。目的が違うというだけです。(背もたれのある椅子については、記事の最後で別に書きます)
メーカーは、こういう試験結果を公表しています
シナジーについて、メーカーが臨床試験の結果を公表しています。
- 対象=腰に痛みや違和感のある男女20名(平均45.8歳)
- 条件=3時間の読書作業を、一般的な椅子と比較
- 公表されている結果=「腰が痛くなりにくい」「正しい姿勢を保つ」「疲労感が軽減」
20名という規模なので「これで証明された」とは言えませんし、メーカー自身が公表しているデータであることも踏まえて読む必要があります。ただ、そこまで測ろうとしていることは、選ぶときの材料にはなりました。
腰は、どう変わったか
ここが一番書きにくいところです。
変化した瞬間を、私は覚えていません。
「使い始めて2週間で痛みが消えた」というような、ドラマチックな話は書けません。でも気づいたときには、不定期に襲ってきていた腰痛に悩まされることが、はっきり少なくなっていました。 何年も付き合ってきた痛みなので、これは私にとって小さくない変化です。
2種類のどちらが効いたか、という比較もできません。どちらの椅子も、座っているときに腰が痛くなることはなく、楽になったのは事実です。
ただ、これはそのまま書いておきたいと思います。体の変化って、たぶんそういうものだからです。ある日を境に治るのではなく、後から振り返って「そういえば最近きてないな」と気づく。
(※あくまで私の体感です。腰痛の原因は人によって違うので、痛みが続く場合は医療機関へ)
「後悔」するとしたら、ここだと思う
どちらも5万円ほどの買い物です(本体はいずれも税込48,290円から。イージーは色によって53,900円、シナジーはカバーが別売1,999円/2026年8月時点)。「買って後悔しないか」を知りたい人がいるはずなので、私なりの答えを書いておきます。
まず、よくある心配で当たらなかったもの。
- 場所を取る:シナジーは取りません。ただしイージーは相応に場所を取ります(上の数字のとおり)
- 掃除:カバーは洗えます。ただしイージーは、膝当てと本体フレームの隙間に食べかすや汚れが溜まります。子どもが使うならなおさらです。その場合は膝当てをいったん外して掃除する必要があります
では何が引っかかるか。1つだけあります。
長時間の作業には向きません。
座り続けていると、姿勢が崩れてきます。背もたれがない分、崩れたときに逃げ場がない。もたれてサボることができないんです。
だから必要になるのが、こちらの工夫でした。
- 一定時間で休憩を取る
- 立って作業をする
- 軽い運動やストレッチを挟む
そして調べていて分かったのですが、これはメーカー自身が言っていることでした。
バランスシナジーに限らず、弊社では長時間座りっぱなしでいることは推奨しておりません。1時間ごとに立ち上がるなどして、休憩を挟みながら使用してください
(バランスラボ 公式FAQより)
この椅子は「座り続けても大丈夫にしてくれる椅子」ではありません。作った側がそう言っている。もし「これを買えば座りっぱなしでも平気」と期待して買うなら、それは後悔すると思います。
だから、昇降式デスクを買いました
さきほど挙げた3つの工夫のうち、「立って作業をする」。これが目的で昇降式の机を買いました。前に書いたとおり、椅子より先にです。電動で高さを変えられる、幅140cmの机です。
思えばこれが、椅子がない期間に私が打った唯一の手でした。座る場所を良くできないなら、せめて座り続けないようにしよう、と。
どちらが効いたか、と聞かれると答えられません。使い分けが重要、というのが4年やってみた結論です。座る時間の質を上げるのが椅子で、座る時間そのものを減らすのが昇降式デスク。役割が違います。
ちなみに「立っている姿勢が一番自然」という話も、どこかで聞いた覚えがありました。気になって調べてみたら、思っていたより話が複雑で、通説とは逆の測定結果もある。ただ一つはっきりしていたのは、「座るか立つか」より「どう座るか」のほうが影響が大きいらしい、ということでした(詳しくは座りっぱなしの腰痛は、椅子で解決する?に書きました)。
「立つのが正解」ではなく、「変えられることが正解」。 昇降式デスクを買ってよかった理由も、たぶんここなんだと思います。
筋トレを続けるうちに、この椅子のことが分かってきた
これは4年目にして気づいたことです。
私は自宅で筋トレを5年以上続けています。その筋トレを続けるうちに、椅子の見え方が変わってきました。
腰から上の姿勢は、ある程度の体幹がないと維持できない。
背もたれのない椅子は、上半身を支えているのが自分の体だけです。骨盤の角度は椅子が作ってくれる。でもその上に乗っている胴体を立てておく仕事は、椅子ではなく自分の筋肉がやっている。
だから、支える力が尽きると、最初に作れていた良い姿勢が、時間とともに崩れていく。
そう考えると、さっき書いた「長時間の作業には向かない」の正体も、たぶんこれです。椅子が悪いのではなく、支える側の持ち時間が切れる。
そして足が固定されないシナジーのほうが、その持ち時間は短く感じます。イージーは膝で支えてくれる分、自分の負担が少なかった。2脚を使い比べて、いちばんはっきり違ったのがここでした。
(※ここは筋トレを続けてきた私の実感です。原因は他にもあるかもしれません)
あとから調べてみたら、近いことを言っている研究発表がいくつかありました。 背もたれのない座り方では実際に体幹の筋肉が働いていること、そしてその筋肉が疲れると自分の姿勢が分かりにくくなること。崩れているのに気づけなくなる、という説明なら、私の体感とよく合います。(この話は座りっぱなしの腰痛は、椅子で解決する?で、出典つきでまとめました)
で、「姿勢が良くなる椅子」は本当なのか
最後に、この記事のタイトルに戻ります。
メーカーの説明では、この椅子はこう書かれています。
座る人が意識することなく、理想であるS字カーブの姿勢を自然と作り出します
4年使った私の実感で言うと、半分本当で、半分は自分の仕事です。
本当だと思う部分:座ると、骨盤が自然に立ちます。ここは意識しなくても、勝手にそうなる。腰が楽になったのは、たぶんここの効果です。
自分の仕事だと思う部分:背中から上は、自分で意識する必要があります。 背もたれがないので、上半身を支えているのは自分の体幹です。気を抜けば、背中はいくらでも丸められます。
だから私の理解は、こうです。
この椅子が整えてくれるのは「土台」であって、「全身」ではない。 骨盤という土台が立つから、結果として腰が楽になる。でも背中や肩まで無条件に補正してくれるわけではありません。そこは、背もたれのある椅子に任せるか、自分で背筋を伸ばして座り直すか。どちらかが要ります。
腰のために買うなら、私は良い買い物だったと思っています。背中や肩まで直してほしくて買うなら、期待する場所が少し違うかもしれません。
補足:背もたれのある「良い椅子」はどうなのか
ここまで背もたれのない椅子の話をしてきたので、「じゃあ背もたれのある椅子はダメなのか」と思われた方もいると思います。
会社に、高価な背もたれ付きのチェアがあります。座ると、自分を包み込んでくれるような感覚。肘置きまで付いていて、背骨のカーブまでサポートしてくれる。
はっきり書きます。自分にフィットすれば、かなり楽です。 仕事もはかどる。これは間違いありません。背もたれのない椅子が上で、背もたれのある椅子が下、という話ではまったくありません。
ただ、そこでも同じことを感じます。定期的に姿勢を変える必要はある。 どれだけ良い椅子でも、同じ姿勢を続ければ体は固まる。ここは、この記事でずっと書いてきたことと変わりませんでした。
そしてもう一つ、これは完全に私の想像ですが——支えてもらうことに慣れると、その椅子以外に座ったときに姿勢が崩れやすくなるのではないか、という気もしています。会社の椅子は最高でも、家の椅子や外出先の椅子は、そうではないので。
(※確かめたわけではありません。あくまで私が感じていることです)
支えてくれる椅子と、支え合う椅子。どちらが正解というより、自分がどこを担当したいかの違いなのかもしれません。
このあたりは、AIと一緒にもう少し専門的に調べて、別の記事で書いてみたいと思っています。
まとめ
4年で2脚使った結果です。
| 買った理由 | 腰痛対策で「姿勢」に目を向けた/妻の提案/前の椅子の背もたれが壊れていた |
| 腰 | 不定期の腰痛に悩まされることが、かなり少なくなった(変化の瞬間は覚えていない) |
| イージー | 膝も支える安定感。疲れにくい。ただし調整が要る・場所を取る・重い |
| シナジー | 省スペースで軽い。ただし足が固定されず姿勢を保つ仕事が自分側に寄る |
| 向かないこと | 長時間の作業。メーカー自身が1時間ごとの休憩を推奨している |
| 姿勢 | 骨盤(土台)は勝手に立つ。背中から上は、自分で背筋を伸ばす必要がある |
| 4年目の気づき | 腰から上を保つのは体幹。「座れば良くなる椅子」ではなく「体幹があるほど活かせる椅子」(私の実感) |
最後に、4年かけてようやく分かった全体像を書いておきます。
座る姿勢は、3つで支えられていました。
| 担当 | 役割 | 我が家での担当 |
|---|---|---|
| 椅子 | 下半身の姿勢を維持する | バランスイージー → シナジー |
| 体幹(筋トレ) | 上半身の姿勢を維持する | 5年以上継続中 |
| 昇降式デスク | 同じ姿勢を続けさせない | 2024年に導入 |
椅子は重要です。下半身の姿勢を維持するためには。 ここは椅子にしかできない仕事だと、4年使って思っています。
でも上半身の姿勢を保つ仕事は、椅子の担当ではありません。 そこは自分の体です。
そしてそもそも、同じ姿勢を保ち続けること自体が難しいし、体にも良くない。だからそこに変化を加えてくれるものが必要。それが昇降式デスクでした。
椅子を子どもに取られていた2年間は、3つのうち椅子だけが欠けていた期間だったことになります。だから机と筋トレで補っていた。当時は意識していませんでしたが、今その順番を並べてみると、自分でも納得がいきます。
椅子を買えば姿勢が良くなる、という話ではなかった。 3つのうちの1つを担当してくれるのが、この椅子だった——それが、4年で2脚使った私の結論です。
派手な結論ではありません。でも4年で2脚座り続けた人間が書けることは、たぶんこのくらいの温度感が正確だと思っています。
最後に一つだけ。この記事を書こうと思うまで、私はここまで言語化できていませんでした。 椅子を買って、それを子どもに奪われて、机を買って、また椅子を買う——ひとつひとつは、その場しのぎの選択でした。並べて書いてみて初めて、自分が何をしてきたのかが分かりました。
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