先日、こんな記事を書きました。ジムに通わず、プロテインも飲まず ── シフト勤務男が自宅筋トレを5年以上続けた話。家にあるソファーや衣装ケースを使った、完全に自己流の筋トレを5年以上続けてきた、という内容です。
書き終えて、ずっと心に引っかかっていたことがあります。
それは「このメニュー、そもそも合っているのか?」ということ。
誰かに教わったわけでもなく、ジムに通ったこともない。ネットの情報を見よう見まねで、5年かけて今の形にたどり着きました。体つきは確かに変わってきた。でも、これがバランスの取れたメニューなのか、専門的・科学的に見てどうなのか、正直さっぱり分かっていません。
一度、パーソナルトレーナーに見てもらった方がいいんだろうか。今後どういう方向でメニューを組んでいけばいいんだろうか。
気になりだすと止まりません。そこで今回は、自分の今のメニューを洗いざらいAIに伝えて、「採点」してもらうことにしました。いつものようにAIと一緒に勉強した記録です。
結論から言うと、自分でも気づいていなかった「大きな穴」が見つかりました。
まず、自分のメニューを「仕分け」してみた
採点してもらうにあたって、まずは今やっているメニューを正直に並べてみます。これが現在の全6種です。
| メニュー | 回数 |
|---|---|
| ツイストレッグレイズ | 左右含めて10回 × 3セット |
| サイドプランク | 左右それぞれ80秒 × 3セット |
| トレーニングローラー | 17回 × 3セット |
| 腕立て(ナロープッシュ型・バランスボード) | 20回 × 3セット |
| 腕立て(ワイドプッシュ型) | 40回 × 3セット |
| 腹筋(左右ツイスト込) | 20回 × 3セット |

これをAIに見てもらうんだね。まず、どうやって良し悪しを判断するの?
体のトレーニングを評価するとき、まず役立つのが「動作で仕分けする」という考え方です。体の動きは、大きく次の4つに分けられます。
① 押す(プッシュ)……胸・肩の前・二の腕の裏(腕立てなど)
② 引く(プル)……背中・肩の後ろ・力こぶ(懸垂など)
③ 体幹……お腹まわり・腰まわり(腹筋・プランクなど)
④ 脚(下半身)……太もも・お尻(スクワットなど)
この4つがバランスよく入っていると、見た目も機能も偏りにくい、と一般的に言われています。まずは、いただいたメニューをこの4つに振り分けてみましょう。
なるほど、と思いました。言われた通り、自分のメニューを4つに仕分けてみます。
| 分類 | 自分のメニュー |
|---|---|
| ① 押す(プッシュ) | ナロープッシュ・ワイドプッシュ・トレーニングローラー |
| ② 引く(プル) | —— |
| ③ 体幹 | ツイストレッグレイズ・サイドプランク・腹筋ツイスト |
| ④ 脚(下半身) | —— |
……並べてみて、自分でもハッとしました。表の右側に、ぽっかり空いた欄が2つあります。

最大の発見 ──「引く」運動が、ゼロだった

仕分けして気づいたんだけど……僕のメニュー「引く」運動が1つもないんだ。これってまずいのかな?
正直にお伝えすると、ここが一番の改善ポイントかもしれません。
「押す」運動(腕立てなど)で鍛えられるのは、主に体の前側(胸・二の腕の裏)です。一方で「引く」運動(懸垂など)で鍛えられるのは、体の後ろ側(背中・肩の後ろ)です。
前側ばかり鍛えて後ろ側がおろそかになると筋肉のバランスが崩れ、肩が前に入った「巻き肩」や「猫背」のような姿勢につながりやすい、と言われています。実際、前側に偏りがちな人には、押す運動2に対して引く運動を3くらいの割合で勧める、という指導の考え方もあるほどです。
これは目からウロコでした。胸や腕は鏡で見えるから一生懸命やる。でも、背中は自分では見えないから完全に意識の外でした。5年間ずっと「前」ばかり鍛えていたわけです。

でもシー君、家には懸垂をする場所なんてないよね。器具を買わずに「引く」運動ってできるの?
はい、家にあるものでも工夫できます。やりたいのは「水平に引く(ロウ)」という動きで、これが背中にしっかり効きます。器具がなくても次のような形で同じ動作ができます。
①斜め懸垂(インバーテッドロウ)……丈夫なテーブルの縁などを握り、床に足をつけたまま体を斜めにして引き上げる。
②ドアロウ……丈夫なドアにタオルをかけ、ドアを脚で挟んで後ろに倒れ、タオルを引いて体を引き寄せる。
この2つは、握る場所がテーブルかタオルかが違うだけで、動き(引く)も効く筋肉(背中)も同じです。やりやすい方、家の環境に合う方を選べばOK。どちらも角度を変えれば負荷を調整できます。
コツは、腕の力で引くのではなく、背中を意識して肩甲骨を寄せること。意識しないと腕や肩だけで引いてしまい、背中に効きにくくなります。

「家にあるもので工夫する」。これはまさに、私が5年間やってきたことそのものです。衣装ケースやソファーで腹筋を固定してきたのと同じノリで、テーブルやドアとタオルで背中も鍛えられる。これなら、すぐにでも取り入れられそうです。
そして、もう1つの空欄。「脚」についても聞いてみました。

もう1つ、「脚」の欄も空いてた。スクワットとか、やった方がいいのかな。でも僕ランニングは10年以上続けてるんだよね。
そこは大事なポイントです。筋トレのメニューだけ見ると脚は空欄ですが、10年以上ランニングを続けているなら、下半身は日常的にしっかり使えていると考えられます。
ランニングは太ももやお尻、ふくらはぎを使う全身運動です。「見た目の太い脚」を目指すなら別途スクワットなどが要りますが、健康維持や体のバランスという意味では、ランニングが脚の役割をかなり補ってくれているはずです。空欄イコール問題とは限りません。
これは少し安心しました。筋トレ単体では脚が抜けているけれど、10年続けているランニングが、ちゃんと下半身を担当してくれていた、ということのようです。やはりメニューは「全体」で見ないといけないんですね。
頻度と栄養は、これで足りているのか
メニューの「中身」の次に気になっていたのが、「頻度」と「栄養」です。私は週1〜2回ランニングの前にしか筋トレをしていません。そして冒頭の記事のタイトル通りプロテインも飲んでいません。これで効果は出ているのか聞いてみました。

シー君は週1〜2回しか筋トレしてないよね。これって少なすぎたりしないの?
むしろ悪くない頻度です。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人に対して筋力トレーニングを週2〜3日行うことが推奨されています。
筋肉は、トレーニングで一度傷つき、休んでいる間に回復して強くなります。そのため同じ部位は48時間以上あけた方が回復が促されやすいとされ、毎日やればいいというものでもありません。週1〜2回でも、適切に行えば筋力の維持・向上は十分に可能と言われています。
そして何より、シフトさんはその頻度を「5年以上」続けられている。これは大きな強みです。理想的なメニューでも、続かなければ意味がありませんから。
週1〜2回で「少なすぎないか」と少し不安だったので、これは励みになりました。むしろ続けられる頻度を選べていたことが良かったようです。

じゃあ栄養はどうだろう。僕プロテインは飲んでないんだ。やっぱり飲んだ方がいいのかな?
プロテインは「飲まなければいけないもの」ではありません。あくまで、食事で足りないタンパク質を補うための手段のひとつです。
運動をする人のタンパク質の目安は、一般的に体重1kgあたり1日1.2〜1.6g程度と言われています(普通の生活なら0.8〜1.0g)。たとえば体重70kgなら、1日およそ84〜112g。これが食事だけで足りていれば、プロテインは必要ありません。
大事なのは、肉・魚・卵・大豆製品・乳製品といったタンパク質を、毎日の食事で安定して摂れているかどうかです。
タンパク質の摂取については、実は前に書いたことがあります。私は三ツ星ファームという宅配の冷凍弁当を中心に食事を組み立てていて、これがちょうど肉や魚のおかずでタンパク質が摂りやすい。それに加えて、今は単身赴任中なのですが、自宅に帰ったときは、妻がバランスを考えた食事を作ってくれます。
もちろん、毎日きっちり計算しているわけではありません。でも「プロテインを飲んでいないから足りていない」と決めつける前に、まずは普段の食事を見直すことが大事なんだ、と分かったのは収穫でした。
安全に続けるために ── 回数・順番・ウォームアップ
メニューの中身、頻度、栄養。だいぶ見えてきました。最後に、5年続けてきたからこそ気になる「細かい部分」も聞いてみることにしました。

シー君って、腕立てを40回とか、けっこう多めの回数でやってるよね。この回数の決め方って合ってるの?
回数は「目的」によって変わる、と考えると分かりやすいです。一般的に、軽い負荷で高回数(15回以上)は筋肉の持久力寄り、重い負荷で低回数(8〜12回程度)は筋肉を大きくする(筋肥大)方向に向きやすいと言われています。
40回をこなせるということは、その種目はすでに「持久力寄り」の領域です。もし「もっと大きくしたい」なら、回数を増やし続けるよりフォームを変えて負荷自体を上げる方が効率的な場合があります。シフトさんがバランスボードで腕立ての負荷を上げたのは、まさにこの考え方に合っています。
これは納得でした。回数をひたすら増やすより負荷を上げる。私が無意識にやっていたバランスボードへの切り替えは、理にかなっていたようです。

あと、僕はいつも「筋トレ→ランニング」の順番でやってるんだ。これって順番として正しいの?
順番に絶対の正解はありませんが、考え方はあります。「その日いちばん力を入れたいこと」を先にやるのが基本です。筋肉をしっかり追い込みたいなら筋トレを先に、持久力を伸ばしたいならランニングを先に、というイメージです。
シフトさんの「筋トレ→ラン」は、筋トレで体を温めてから走る流れになっていて、ウォームアップとしても自然です。ご自身が「走る前にやると体が温まる」と感じているなら、その感覚は大切にしていい部分です。
ここで、ひとつ大事な注意も教えてもらいました。安全に関わる部分なので、しっかり書いておきます。

自己流で続けるうえで、気をつけた方がいいことってある?
とくに気をつけたいのが「腰」です。シフトさんのメニューにあるレッグレイズ・腹筋ローラー・上体起こし(腹筋)は、フォームが崩れて腰が反ると、腰や椎間板に大きな負担がかかると言われている種目です。
安全に行うコツは、腰を反らせないこと。お腹に力を入れて、腰が反り返らないように意識します。そして、始める前の軽いウォームアップ(その場足踏みや関節を回すなど)で体を温めておくと、ケガの予防につながります。
もし少しでも腰や関節に痛み・不安がある場合は、無理をせず、専門家(医療機関やトレーナー)に相談することをおすすめします。
5年も続けていると、つい「いつものメニュー」を惰性でこなしがちです。でも、腰に負担がかかりやすい種目をいくつもやっている自覚は持っておくべきだと改めて思いました。準備運動とフォーム。基本ですがいちばん大事なところです。
結局、パーソナルトレーナーには見てもらうべき?
私のような自己流の人間は、一度プロに見てもらった方がいいのか。

僕みたいな自己流の人間は、一度パーソナルトレーナーに見てもらった方がいいのかな?
「絶対に必要」でも「まったく不要」でもない、というのが正直なところです。それぞれに価値があります。
プロに見てもらう価値:自分では気づけないフォームのクセを直してもらえる、今回のような弱点(引く運動の不足)を体系的に補強してもらえる、腰など不安がある部位を安全に鍛える方法を教われる。短期間で「正解」に近づけるのが強みです。
自己流の価値:お金がかからない、自分のペースで続けられる、何より「続けられる形」を自分で見つけられている。シフトさんが5年続けてこられたのは、この自己流の良さがあったからです。
おすすめは、「ずっと通う」のではなく「一度だけ、フォームチェックのために見てもらう」という使い方です。1回見てもらってクセと弱点を把握すれば、あとはまた自己流で続けられます。

「ずっと通う」じゃなくて「一度だけ見てもらう」。それなら、自己流の良さも残せるね。
この答えは、すごくしっくりきました。私は「トレーナーに通う=ずっと縛られる」というイメージで、なんとなく敬遠していました。でも「一度だけ、健康診断のように見てもらう」のなら、ハードルはぐっと下がります。自己流を捨てるのではなく、自己流をより良くするためにプロの目を一度借りる。これは前向きに検討してみようと思います。
まとめ ── 5年の自己流にAIが付けた点数
今回、自分のメニューをAIに採点してもらって見えてきたことを整理します。
- 良かった点:押す運動と体幹はしっかり鍛えられている。週1〜2回の頻度は健康づくりとして妥当。脚はランニングが補ってくれている。何より「5年続けられている」こと自体が大きな強み。
- 改善点:「引く」運動(背中)がゼロ。ここが最大の伸びしろ。斜め懸垂やドアロウなら家にあるもので始められる。
- これから:腰に負担のかかる種目はフォームに注意。一度だけプロにフォームチェックしてもらうのもあり。
正直に言うと、採点してもらう前は少しドキドキしていました。「全然ダメですね」と言われたらどうしよう、と。でも結果は、強みはちゃんと強みとして認めてもらえたうえで、たった1つ、大きくて分かりやすい伸びしろが見つかった。これは、ものすごく嬉しい結果でした。
5年間、自己流でやってきたことは決して間違いではなかった。でも、まだ伸びしろがある。次にやることが、はっきり1つに決まった。これ以上に、モチベーションが上がることはありません。
さっそく、ドアにタオルをかけて「引く」運動から始めてみようと思います。また家にあるもので工夫する日々が戻ってきそうです。
なお、この記事はあくまで一個人が自分のメニューをAIと一緒に振り返った記録です。体づくりの最適な方法は人それぞれで、持病や体の不安がある場合はとくに、無理をせず専門の医療機関やトレーナーに相談することをおすすめします。
なお、関連する記事はこちらです。
- ジムに通わず、プロテインも飲まず ── シフト勤務男が自宅筋トレを5年以上続けた話
- シフト勤務男が、ランニングを10年続けてきた理由
- その体臭、加齢臭じゃないかも? ── ミドル脂臭の正体をAIと勉強した記録
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