毛穴の詰まりを、もっと早くなんとかしたい ── そう思って調べていると、よく出てくる言葉があります。「酸」「ピーリング」「AHA・BHA」。古い角質をオフして、毛穴をすっきりさせる、攻めのケアらしい。
新たにケア用品を追加するかどうか、心が動きました。泥ジェル洗顔で毛穴は少し落ち着いたけれど、もう一段なんとかしたい気持ちがあります。
でも、ここで立ち止まりました。私はすでに、攻めのレチノールに加えて、朝にはビタミンCも使っています。攻めはもう2つ。その上に、さらに攻めを足していいんだろうか? そもそも、この「酸」って何者で、レチノールと何が違うのか。足す前に確認してみました。
先に結論 ── 酸(AHA・BHA)は、レチノールやビタミンCとはまた別の担当の”攻め“の成分です。AHAは肌表面の古い角質、BHAは毛穴の皮脂にアプローチする、と言われます。
ただ、攻めは“足せば足すほどいい”わけではありません。役割マップで私のケアを並べてみると ── ターンオーバーは夜のレチノール、抗酸化は朝のビタミンCで、攻めの主な範囲はもう埋まっている。そして酸がねらう”毛穴の皮脂・古い角質”は、私の場合すでにクレンジングや泥ジェル洗顔(=”洗う”ケア)で、あまり気にならなくなってきています。つまり、酸が新しく埋める”空き”が、今の私には見当たりませんでした。
だから私の答えは、「足すより、今やっていること(レチノール・ビタミンC・ていねいな洗顔)を続ける」。毛穴を急ぎたい気持ちはありますが、空いていない場所に、わざわざ攻めを重ねないことを選びました。
※もし酸を足すなら ── ほかの攻め(レチノール・ビタミンC)と時間帯を分ける・翌朝の日焼け止めは必須・頻度はひかえめ、が鉄則です。あわせて、市販の酸化粧品と、皮膚科で受ける高濃度の「ケミカルピーリング」(医師の管理下で行う施術)は別物、という点も本文で説明します。
そもそも「酸(AHA・BHA)」って、何をする成分?

AHAとかBHAって、よく聞くけど何のこと? どっちも”酸”なの?
どちらも、古い角質のケアに使われる酸の仲間です。ざっくり、こう分けられます。
- AHA(アルファヒドロキシ酸):グリコール酸・乳酸など。水になじみやすいので、主に肌表面の古い角質のごわつきにアプローチすると言われます。
- BHA(ベータヒドロキシ酸=サリチル酸):油になじみやすいので、毛穴の中の皮脂や角栓にアプローチしやすいのが特徴とされます。
働き方は「角質を無理やり溶かす」というより、角質どうしのつながりをゆるめて、古い角質が自然に取れやすい状態にするイメージです。結果として、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)を後押しすると言われています。
なるほど。同じ「酸」でも、AHAは表面・BHAは毛穴の中と、得意な場所がちがう。毛穴の皮脂づまりが気になる私の用途だと、どちらかといえばBHA(サリチル酸)寄りの話のようです。
そして大事なのは、酸の役割が 役割マップ でいう「攻め」── ターンオーバーを促して、肌を変えにいくグループだ、ということでした。
レチノールもビタミンCもあるのに、酸まで要るのか

私はもうレチノールとビタミンCを使ってる。同じ”攻め”なら、酸を足す意味はあるの? それとも重なってムダ?
同じ「攻め」でも、レチノール・ビタミンC・酸は効く範囲がそれぞれちがいます。ざっくり言うと ── レチノールは肌の奥でターンオーバー全体を底上げ、ビタミンCは抗酸化(紫外線などのダメージから守る攻め)、酸(AHA・BHA)は表面の古い角質や毛穴の皮脂にピンポイント。担当がちがうので、「同じ攻めだからムダ」ではなく、「どの範囲が自分に足りないか」で考えるのが筋です。
ただし注意があります。両方とも肌に”攻める”成分なので、同じ晩に重ねたり、いきなり両方を始めたりすると、刺激が強く出やすい。とくにレチノールと酸は、どちらもターンオーバーを促す分、一時的に肌のバリアが弱くなって、ヒリつきや乾燥が出やすくなると言われます。足すなら「攻めの足し算」に慎重さが要ります。
「攻めが2つあれば2倍いい」のではなく、攻めを重ねるほど肌の負担も増える。これは、ビタミンCのときと同じ考え方でした。あのときは同じ攻めでも「抗酸化」という空いている範囲があったから足した。でも今回の酸が効く範囲 ──表面の角質や毛穴の皮脂づまり── は、私の場合すでに泥ジェル洗顔とクレンジング、レチノールのターンオーバーでかなりカバーできている。酸が新しく埋める”空き”が、今の私には見当たりません。だったら、足さなくていい ── 今回はそう判断しました。
もし足すなら ── “攻めすぎ”の境界

それでも酸を試したい人は、何に気をつければいいの?
市販の酸配合化粧品(濃度ひかえめのもの)を使うなら、次のあたりが目安と言われます。
- ほかの攻め(レチノール・ビタミンC)と時間帯を分ける:使うなら日や朝晩をずらし、攻めを一度に重ねない。
- 翌朝の日焼け止めは必須:角質ケアのあとは紫外線の影響を受けやすくなるとされるため、UV対策をいつも以上に。
- 頻度はひかえめ・少しずつ:毎日ではなく数日に1回から。ヒリつき・赤み・乾燥が出たら休む。
- 保湿で土台を守る:攻めるほど、守り(保湿)の手当てが要ります。
そして大切な区別があります。「ケミカルピーリング」=酸などの薬剤を肌に塗って、古い角質をまとめて取り除く施術のこと。とくに皮膚科で受けるものは、高濃度の薬剤を医師の管理のもとで使う医療行為で、市販の化粧品とは別物です。日本皮膚科学会も、ケミカルピーリングは専門医の十分な管理下で行うべきとし、過去には腫れや炎症などの相談例もあったとしています。市販品でも、自己判断で強い刺激を重ねるのは避け、不安があれば皮膚科に相談を。
「市販のマイルドな酸」も「皮膚科の本格ピーリング」も、正直、私はどちらもよく知りませんでした。調べてみると、実際は濃度も管理も別物。家でやれるのは、あくまでひかえめに角質を整えるくらいの範囲で、強い変化を急ぐなら、それは自己流でやる領域ではない。素人の私には、これを知れただけでも調べてみてよかったです。
私の結論 ── 足すより、今を丁寧に
調べてみて、私の答えははっきりしました。今は酸を足さない。理由は3つです。
- 役割マップで見ると、私の「攻め」は夜のレチノールと朝のビタミンCでもう埋まっている。空いているのはそこじゃない。
- 毛穴の詰まりは、泥ジェル洗顔とクレンジングで、前より目立たなくなり、あまり気にならなくなってきた。
- 攻めを重ねて肌を荒らすのは、私がいちばん避けたいこと。急いで足すより、続けるほうが理にかなっている。

「もっと早く」と思うほど、足したくなる。でも”足す前に役割で見る”と、たいてい答えが見えてくる ── 足りないのか、もう足りているのか。
もちろん、これは今の私の場合の話です。攻めがまだ埋まっていない人、毛穴の皮脂づまりが主な悩みの人なら、BHA(サリチル酸)を”攻め”として選ぶのは理にかなっています。大事なのは、商品名で飛びつく前に、自分に足りない役割を確かめること。私はそれを、役割マップで何度も助けられています。
もちろん、これは“今の”私の結論です。今後もし方向性が変わって、酸を試す日が来たら ── その変化も、またここに書きます。
まとめ ── 酸は「攻めの別ルート」、足し算には慎重に
毛穴を急ぎたくて気になった「酸」を調べて、分かったことを整理すると、こうでした。
- 酸(AHA・BHA)は“攻め”の角質ケア。AHA=表面の古い角質/BHA(サリチル酸)=毛穴の皮脂と、得意な場所がちがう。
- レチノールやビタミンCとは効く範囲がちがうが、同じ”攻め”=重ねると刺激が出やすい。足すならほかの攻めと時間帯を分ける・翌朝UV必須・頻度ひかえめ・保湿で土台を守る。
- 市販のマイルドな酸と、皮膚科の高濃度ケミカルピーリングは別物(後者は医師の管理下)。強い変化を急ぐのは自己流の領域ではない。
- 役割マップで見て「攻め」が埋まっているなら、足すより続ける。空いている役割を埋めるのが筋。
「もっと早く」という気持ちは、つい何かを”足す”方向に向かいます。でも足す前に役割マップを開くと、たいてい答えが見えてきます ── 足すべき”空き”があるのか、それとも、もう手元のもので足りているのか。私の場合は後者でした。酸の勉強は、私にとって“足さない”を選ぶための勉強になりました。同じように毛穴を急ぎたい誰かの、ブレーキにも、地図にもなればうれしいです。
参考にした主な情報源
- 公益社団法人 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「ケミカルピーリング」(ケミカルピーリングは皮膚科専門医の十分な管理下で行うべき治療/過去に腫れ・炎症などの危害例)
- 日本皮膚科学会 ケミカルピーリングガイドライン(日本皮膚科学会雑誌 118巻3号)(使用薬剤=グリコール酸・サリチル酸ほか、剥離深度・施行基準)
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