夜勤明けの”朝”って、いつ? ── シフト勤務のスキンケアをアプリにする、最初の壁(開発記③)

🛠 アプリ開発記

前回、AIに話しかけるだけで、自分用のスキンケア管理アプリが動くところまでいきました。でも、いざ”自分のケアをアプリに落とし込もう”とした最初の段階で、大きな壁にぶつかります。

壁の正体は、ほかでもない ── 私自身の働き方、シフト勤務でした。

私は3交代のシフト勤務。早番・遅番・夜勤がぐるぐる回ります。シフト勤務とスキンケアの相性の悪さは、これまでも何度か書いてきました ── だから”分かっているつもり”でした。でも、いざそれをアプリの形にしようとすると、世の中が当たり前に使う「朝のケア」「夜のケア」の枠が、私の生活にどうにも当てはまらない。夜勤明けの私に、”朝”はいつ来るのか。分かっていたはずの難しさの正体と、開発のいちばん最初で、改めて向き合うことになったんです。

シフト勤務でスキンケアが難しい理由は、大きく2つありました。

  • ①「朝・夜」の枠が、私の生活に合わない
  • ② 連続ルールがあるのに、「昨日どっちを使ったか」を覚えていられない

この2つの正体をまず見て、それをアプリでどう乗り越えたか、さわりまで書きます。(アプリの設計の詳しい話は、この連載の続きで。)

スキンケアは、たいてい「朝と夜」で語られる

スキンケアの話って、たいてい「朝はこれ、夜はこれ」という形で説明されますよね。朝は洗顔して化粧水・日焼け止め、夜はクレンジングして美容液・クリーム ── 規則正しい生活をしている人には、これでいい。

でも、この説明には隠れた前提があります。「毎日、朝に起きて、夜に寝る」という前提です。

私のようなシフト勤務には、その前提がありません。“時間の作り方”は前に書きましたが、今回はその前段の話 ── そもそも「朝」「夜」という枠が、私の生活にうまく当てはまらない

夜勤に「朝」と「夜」は、何回来るのか

たとえば夜勤。ふつうに考えれば1日ですが、私の感覚では“1日”に収まりません

  • 夜勤に入る前:これから働くので、いわば”その日の始まり”。でも時計は夜。
  • 夜勤の最中〜明け:ひと晩働いて、空が明るくなってから帰る。”夜”のケアをするのか、”朝”のケアをするのか?
  • 夜勤明け:帰ってすぐ寝る日もあれば、軽く仮眠して夕方まで起きている日も。その日によってマチマチで、”朝”のケアをいつやればいいのか、毎回ちがう。

つまり夜勤の前後では、ケアのタイミングが2回どころか、3つくらいに割れる。「朝・夜」の2枠モデルでは、どうしても枠が足りないし、どこに何を入れればいいのか毎回迷う。これが、シフト勤務のスキンケアが”ぐにゃぐにゃ”する正体の、1つ目でした。

アプリで「夜勤」を選んだ状態。ケアの枠が朝・夜の2つでなく、「日中」「出勤前(夕方〜夜)」のように夜勤の生活に合わせて分かれて表示されている(ダミーデータ)
アプリで「夜勤」を選ぶと、枠が”朝・夜”でなく夜勤の実態に合わせて分かれる。(画面はダミーデータ)

そして「昨日どっちを使った?」が、分からなくなる

2つ目は、もっとやっかいな問題です。

スキンケアには「同じ日に重ねないほうがいいもの」があります。私の場合でいうと、攻めのレチノールと、頭皮ケアの美顔器。これは同じ晩に重ねると刺激が強いので、別の日にずらしています。ほかにも「毎日やらず数日に1回」「交互に使う」といったものがいくつかある。

ここで効いてくるのが、さっきの不規則リズムです。毎日同じ時間に寝起きしていれば「昨日はレチノール、今日は美顔器」と覚えていられる。でも、夜勤を挟むと生活が前後して、”昨日”の輪郭がぼやける。気づけば「あれ、レチノールって昨日使ったっけ? おとといだっけ?」。

これ、地味にストレスでした。間違えて2日連続でレチノールを使えば刺激になるし、こわがって両方サボれば、せっかくのケアが進まない。覚えていられないことを、毎日”気合い”で覚えようとしていた。続かないのは当たり前です。

紙に書いても、解けなかった

実は私、これをなんとかしようと、勤務形態ごとのスキンケア表を、自分で紙(PDF)にまとめていた時期があります。生活が変わるたびの「この日は何をするか」を並べた早見表です。その“紙で管理していた話”は、この連載の第1弾に書きました。

でも、その紙には決定的な限界がありました。紙は「昨日、自分が何をしたか」を覚えていてくれない。表に「レチノールと美顔器は別の日に」と書いてあっても、肝心の”昨日どっちを使ったか”は、結局この記憶頼り。さっきの問題が、紙ではどうしても解けないんです。

ここで、ようやく気づいたんです。私が欲しかったのは”きれいなルーティン表”ではなく、“昨日の自分を覚えていてくれる相棒”だった。紙にはそれができない。だから、アプリにするしかなかった

アプリでは、勤務形態を選ぶと、その日の枠が出る。そして連続使用に気をつけたい項目だけ「前回○日前」と教えてくれる。覚えていなくていい、見ればいいだけ。私が紙の前で唸っていた問題が、ここでやっと解けました。

アプリの画面。連続使用に注意したい項目に「前回○日前」のバッジが表示され、昨日使ったものが一目で分かる(ダミーデータ)
連続使用に気をつけたい項目だけ「前回○日前」が出る。覚えていなくていい、見ればいい。(画面はダミーデータ)

とはいえ、アプリも一発でうまくいったわけではありません。最初は世の中と同じ”朝・夜”の2枠で組んでしまって、夜勤の日に”入れる場所”がなかったり、昨日マークを全部の項目に出して画面がごちゃついたり。そこを「夜勤の枠を足す」「本当に注意したい項目だけ残す」と一つずつ直していきました。その試行錯誤の中身は、この連載の続きで書いていきます。

まとめ ── シフトのセルフケアは、気合いでなく仕組みで

シフト勤務でスキンケアが続かない理由を、自分なりに整理すると、こうでした。

  • 世の中のスキンケアは「朝・夜」が前提。でもシフト勤務はケアのタイミングが働き方によって変わり、夜勤なら複数に割れる。2枠モデルでは足りない。
  • 同じ日に重ねない」連続ルールがあるのに、不規則リズムで「昨日どっちを使った?」が分からなくなる。
  • 紙の早見表でも、この”昨日問題”だけは解けなかった ── だからアプリにした

私自身は、スキンケアをなんだかんだ続けてきました。続けるのをやめたことはありません。でも、続けるなかで「昨日どっちを使ったっけ?」のような問題に何度もぶつかった。それをなんとか解決しようとして行き着いた先が、このアプリでした。

もし、シフト勤務でセルフケアがうまく続かないことがあっても、それは意志だけの問題じゃないのかもしれません。続け方や仕組みのほうを、自分の生活に合わせてしまう ── そういう手もある、と思えるだけで、少し気が楽になります。

※このアプリは今のところ、私一人が自分用に使っている段階のものです。スキンケアの内容は個人差があり、刺激や合う合わないも人それぞれなので、不安があるときは皮膚科などの専門家に相談してください。


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