先日、自己流の自宅筋トレをAIに採点してもらった話を書きました。
5年以上、ジムにも通わず、プロテインも飲まず、家にあるもので続けてきた自分のメニュー。それをAIに見てもらったら、いちばんの弱点として返ってきたのが——「押す種目ばかりで、「引く」運動がゼロ」ということでした。
腕立て、腹筋ローラー、体幹。たしかに全部「押す・支える」系です。背中を「引く」動きが、まるごと抜けていました。
……こういうのは「なるほどね」で終わらせると、たいてい何も変わりません。せっかく弱点が分かったので、さっそく次の筋トレから直してみることにしました。
今回はその、始めたばかりの報告です。成果はまだ何も出ていません。でも、やってみると初日からいろいろ気づくことがあったので、ここに残しておきます。
まず「引く」を足した ── 子供用の鉄棒で斜め懸垂
AIに教わった家でできる「引く」種目の筆頭が 斜め懸垂(インバーテッドロウ)。床に足をつけて体を斜めにしてバーを引き寄せる動きです。懸垂より負荷が軽く、初めての「引く」にちょうどいいらしい。
問題は単身赴任先のアパートにバーがないこと。……と思ったら家にありました。子供用の室内鉄棒です。

正直、いい大人が子供用の鉄棒で引く運動をするのはちょっと笑えます(笑)。でも高さがちょうどよく、やってみると立派に「引く」トレーニングになりました。まずは 5回×3セット から。
順手か、逆手か ── 両方試して分かったこと
やってみてすぐ迷ったのがバーの握り方です。手のひらを自分に向ける「逆手(アンダー)」か、向こうに向ける「順手(オーバー)」か。
両方試しました。結論、今は順手(オーバー)に落ち着いています。
- 逆手でやると、上腕二頭筋(力こぶ)に効きすぎる感じがした
- 順手にすると、ねらいだった肩甲骨まわり(背中)にしっかり効く感覚があった
あとで調べたら、これは感覚だけの話ではなくて、一般的にもそう言われているそうです。順手は背中(広背筋・僧帽筋)に、逆手は二頭に負荷が乗りやすい。目的で使い分けるもので、背中をねらうなら順手が定番。自分の体が勝手に正解を選んでいたみたいで、ちょっと嬉しかったです。

ちなみに「引く動きなのに力こぶにも効くのは間違いなの?」とAIに聞いたら、引く種目は腕(二頭)も一緒に使うのが普通とのこと。だから逆手で二頭に効くのも正常。ただ自分の今の目的は背中なので、順手を選んだ、というだけの話です。
翌日、今まで感じたことのない場所が筋肉痛に
そして翌日。肩甲骨のまわりが、軽く筋肉痛になっていました。
これが地味に嬉しかった。だって、5年間「押す」ばかりで、一度も使えていなかった背中に、ちゃんと刺激が入った証拠だから。狙ったところに効いた、という手応えでした。
同じ腕立てを「ゆっくり」にしたら、別物だった
引くを足すのと同時に、押す側も少し変えてみました。いつものワイドプッシュアップ(手幅を広くした腕立て)をゆっくり動かすようにしたんです。
これがもう別物でした。
通常のスピードなら40回できていた腕立てが、ゆっくりにした途端——20回×3セットを目標にしたのに、1セット目20回 → 2セット目15回 → 3セット目12回でギブアップ。最後はいつもの半分以下です。
「あれ、こんなに回数が落ちるなら、逆に効いてないんじゃ?」と一瞬思いました。でも調べると逆で、ゆっくり動かす(スロートレーニング)と、筋肉が力を抜く瞬間がなくなって、負荷がぐっと上がるそうです。厚生労働省の解説(e-ヘルスネット)でも、ゆっくり行うと少ない回数でも効果が得られる、とありました。
つまり、回数が減ったのは失敗じゃなくて、負荷が上がった証拠。翌日は上腕三頭筋(二の腕の裏)がしっかり筋肉痛で、「思ったより効いたな」というのが正直な感想です。同じ種目でも、スピードを変えるだけでこんなに変わるのか、と。
背中の「下側」も足す ── 背筋(バックエクステンション)
斜め懸垂で背中の中〜上を使えるようになったので、もうひとつ、背中の下側もねらって背筋を足しました。
うつ伏せになって、両手両脚を浮かせて伸ばす種目(バックエクステンション、いわゆる「スーパーマン」)。5秒キープして戻す、を10回×3セット。背中の下部(脊柱起立筋)やお尻、もも裏に効きます。
斜め懸垂が背中の中〜上、背筋が背中の下。上下で背面をカバーできるので、「引く」を足すならこの組み合わせは相性がいいみたいです。
ひとつだけ、注意も学びました。背筋は腰を反らす動きなので、反らしすぎると腰を痛める原因になる。無理に高く上げず、反動を使わず、気持ちよく伸びる範囲で。腰に不安がある人は特に慎重に。
やってみて腑に落ちた2つのこと
初日からあれこれやって、AIにも確かめながら、特に「これは覚えておきたい」と思った2つを書いておきます。
「押す」を増やしても、「引く」の代わりにはならない
最初は「腕立ての回数を増やせば、それでバランス取れるんじゃ?」とも思っていました。でも、違うそうです。押す(胸・肩の前・二の腕)と引く(背中・力こぶ・肩の後ろ)は、使う筋肉がそもそも別。いくら押すを増やしても、引くの不足は埋まらない。だから両方を別々に持つのが正解で、自分には斜め懸垂と背筋が、その「引く」担当になりました。
筋肉痛は「効いた印」だけど、「効果の証明」ではない
今回いちばん勘違いしやすいと思ったのが、これです。翌日の筋肉痛が嬉しくて「効いた!」と思いがちですが、調べると、筋肉痛の強さと筋肉の成長は、必ずしも比例しないそうです。新しい刺激が入ったサインではあるけれど、筋肉痛そのものを追いかける必要はない。
そして、もうひとつ大事なこと。「筋肉痛」と「関節の痛み」は別物です。
- 筋肉痛 … 張る感じ・動かせる範囲はふつう・2〜3日で治る
- 関節の痛み … 動かしにくい・痛みが強い・なかなか引かない → これは危険なサイン
今回の自分のは、肩甲骨まわりの「張る」感じだったので、おそらく大丈夫な側。でも、もし肩の関節そのものが痛んだり、何日も引かなかったりしたら、フォームを見直すか、休む。痛みがはっきりしないときは、自己判断せず専門家(整形外科)へ——これは自分への戒めも込めて、書いておきます。
まとめ ── まだ初日、でも「動けた」ことが一歩
正直に書くと、これを始めたのはまだ昨日です。成果なんて何も出ていません。これからいつもの筋トレと同じペースで続けていく、そのスタートラインに立っただけ。
でも、自分にとっては小さくない一歩でした。「弱点が分かった」で終わらせずに、その翌日に動けた。5年間ずっと抜けていた「引く」を、子供用の鉄棒でともかく始められた。
派手な特効薬じゃなくて、足りないものを一つずつ埋めていく。結局いつも、自分のやり方はこれです。完璧じゃなくていい。続けられる形で少しずつ整えていきます。
※トレーニングの効果や負荷の感じ方には個人差があります。痛みが続くときや、関節に違和感があるときは、無理をせず専門家に相談してください。

