先日、運動前のストレッチが自己流で合っているのか、AIと一緒に調べた話を書きました。そのとき、「具体的なメニューの中身は、また別の記事で紹介します」と予告していたので、今回がその続きです。
ただ、メニューを並べる前に、ひとつだけ先に言っておきたいことがあります。
調べていて、いちばん腑に落ちたのは ── 運動前のストレッチに「これが唯一の正解」というメニューは存在しない、ということでした。競技も、体も、目的も人それぞれだからです。
なので、この記事は「私の真似をしてください」ではありません。“正解に近づくための基本”で、自己流のメニューを点検してみた実例です。同じように運動を続けている人が、自分のルーティンを見直すヒントになれば。そんな気持ちで書きます。
運動前ストレッチに「正解メニュー」はない。でも基本はある
「この種目をこの順で」という決まった正解はない。でも、目的に沿った”基本”なら、前回調べて見えてきました。
まず大前提として、運動前は軽く体を温めてから伸ばします。その上で、ストレッチには大きく「動的(動かしながら)」と「静的(止めてじっくり)」があり、運動の前と後で使い分けるのがポイントでした。
| 運動前(これから動く) | 運動後(クールダウン) | |
|---|---|---|
| 向くタイプ | 動的(動かしながら伸ばす) | 静的(止めてじっくり伸ばす) |
| ねらい | 体を温めて、動ける状態にする | 筋肉をゆるめてリラックス |
| 静的をやるなら | 各20〜30秒の短時間ならOK(長いと一時的に力が出にくい) | じっくりでOK |
(詳しい根拠は前回の記事に、厚生労働省などの出典つきでまとめています。)
この基本を頭の片隅に置いて、私の自己流メニューを見ていきます。「どこが基本に合っていて、どこは”運動の後に回してもいい”のか」── そう考えながら読むと、あなた自身のルーティンの点検にも使えるはずです。
使う道具は、ブロック1本だけ
メニューに入る前に、ひとつだけ道具を紹介します。ティールグリーンの半円柱型ブロック(かまぼこのような形の、ストレッチ用クッション)です。見た目はやわらかそうですが、持ってみると意外としっかり固め。平らな面を下にして床に置き、これを首や背中に当てて、体重で気持ちよくほぐしていきます。

このブロックを使うメニューは、実は去年、整体に行ったのがきっかけで増えたものです。前かがみの姿勢と肩甲骨まわりの硬さを指摘されて、自分で改善しようと取り入れました(このあたりの経緯は前回の記事に書いています)。残りのメニューは道具なし、床と自分の体だけでできます。
ちなみに、これから紹介するのは「全部やる日の最大セット」です。毎回すべてをやるわけではないので、まずは気軽に眺めてみてください。
それでは、実際にやっている順番でいきます。
① まずはブロックで、上半身をほぐす
最初は、固まりやすい首と背中まわりから。ここはブロックの出番です。
1. 首ほぐし(首にブロックを当てて仰向け)
仰向けになって、首の後ろにブロックを横向き(体に対して横向き)に当てます。頭の重さを預けるようにして、首まわりをゆっくりほぐす。デスクワークや下を向く時間が長いと、ここが固まりがちです。
※首は特に注意してください。後ろに反らしすぎないこと、反動をつけずゆっくりやること。気持ちいいからとグッと体重をかけすぎず、”ほどほど”が正解です。めまいや手のしびれを感じたら、すぐに中止して正面を向いてください。首や肩に持病のある人は、無理せず専門家に相談を。
2. 肩甲骨まわりほぐし
今度はブロックを背骨に沿って縦向きに床へ置き、その上に背中(肩甲骨のあたり)を乗せて仰向けに寝ます。自分の体重で、固まった肩甲骨まわりがじんわりほぐれて、胸も開く。整体で「ここが硬い」と言われた、まさにその場所です。
3. 肩回し
同じく背骨に沿って縦向きに置いたブロックの上に仰向けで寝たまま、両手を自分の肩に添えて、ひじで円を描くように肩を時計回り・反時計回りにゆっくり回します。これは止めて伸ばすというより、動かしながらほぐすタイプ。肩甲骨まわりがほぐれて、巻き肩がゆるむ感じがします。

② 床に座って、脚まわりをじっくり伸ばす
上半身がほぐれたら、床に座って下半身。ここからは、止めてじっくり伸ばす静的ストレッチが中心になります。
基本に照らすと──ここが”静的”パート。各20〜30秒の短時間なので運動前でもセーフな範囲ですが、「今日は全力で動きたい」という日なら、この静的の一部は運動の”後”に回してもいい部分です。
4. 片脚ずつ長座前屈(もも裏・背中)
脚を前に伸ばして座り、片脚ずつ前屈。もも裏(ハムストリングス)と背中が伸びます。両脚いっぺんにやるより、片脚ずつのほうが伸びを感じやすい。
5. もも前面ストレッチ(前もも)
仰向けに寝て、片脚だけ膝を曲げ、足(かかと)をお尻の横に持っていきます。もう片方の脚は前にまっすぐ伸ばしたまま。曲げた側の前もも(太ももの前側)が伸びます。前ももは普段あまり伸ばさない場所なので、座りっぱなしの多い人ほど効きます。膝に痛みが出ない範囲で。
6. 足の裏を合わせて前屈
足の裏どうしを合わせて座り、そのまま前に倒れる、いわゆる「あぐらの深いやつ」。内ももと股関節まわりが伸びます。

③ 股関節をほぐして、体をひねる
7. 股関節ほぐし(床で・道具なし)
床に座って片膝を立て、もう片方の脚の足を、その立てた膝のあたりに置きます。すると、足を乗せた側の股関節がじんわり開きます。道具は使わず、自分の体だけ。次の「ひねり」にそのままつなげられます。
8. ひねり
7の姿勢から続けて、片脚を前にまっすぐ伸ばします。もう片方の脚は膝を立て、その足を伸ばした脚をまたいで反対側に置きます。その状態で立てた脚の側へ上体をひねると、背中の筋が気持ちよく伸びます。7からスムーズに移れるので、セットでやっています。

④ お尻と内ももを、ていねいに
お尻と内もも担当のパートです。4の字(9番)は、たまに・気が向いたときだけ。ここも②と同じく静的中心なので、短時間でサッとが基本です。
9. 椅子で4の字(お尻の深部・たまに)
椅子に座って、片脚をもう片方の太ももに「4の字」に乗せ、軽く前傾。お尻の深いところ(梨状筋まわり)が伸びます。
10. 伸脚(片膝を深く曲げ、反対の脚を真横に伸ばす・左右)
相撲の四股のように腰を低く落とし、片膝を深く曲げ、反対の脚を真横にまっすぐ伸ばす。左右両方。内ももと股関節まわりにしっかり効きます。

⑤ 最後に、ふくらはぎ→大きく回して締める
締めは、ふくらはぎを伸ばしてから、最後に体を大きく動かして終わります。基本でいう”動的”を運動の直前に置く形で、ここは理にかなっていた部分でした(後述)。
11. ふくらはぎ〜アキレス腱伸ばし
片脚を前に大きく踏み込んだ姿勢で、後ろに残した脚のふくらはぎとアキレス腱を伸ばします。ランニング前は、特にここを念入りに。
12. 360度回転(伸ばしながら大きく回す)
最後は、立って体を大きく360度回す動き。体側から全身を、動かしながら伸ばします。これは止めるのではなく動かしながらのストレッチ。
実はこの「最後に動かす動き(動的ストレッチ)を置く」順番、無意識でやっていたのですが、運動直前としては理にかなっていたと前回の記事で分かりました(詳しくはこちら)。締めにこれをやってから、運動に入っていきます。

毎回ぜんぶやるわけではない
ここまで12種を紹介しましたが、最初に書いたとおり、これは「全部やる日」の最大セットです。毎回すべてをやるわけではありませんが、それでも10種類前後は、その日の時間や体調に合わせてやっています。
それでも「運動前に必ず何かしらはやる」という習慣だけは、サッカーの頃からずっと崩していません。完璧にやろうとすると続かない。だから、できる範囲で、でも必ずやる。これが私なりの続け方です。
まとめ ── 正解はないけど、点検はできる
首から足首まで、ブロック1本と床があればできる、自己流ストレッチの全メニューでした。誰かに習った”正解”ではなく、サッカーを原点に、整体での気づきも足しながら、何年もかけて自分で組み上げてきたものです。
最初に書いたとおり、運動前ストレッチに「これが正解」というメニューはありません。でも基本はある。その基本に照らして自分のメニューを見直したら、「短時間の静的が多めだけど、最後に動的を置けているのは悪くなかった」と分かりました。これから少しずつ、軽く体を温めてから始めたり、動的な動きを増やしたりして、もっと運動前に合った形にしていくつもりです。
だからこの記事も、真似する用ではなく、あなたが自分のルーティンを点検する”目線”として使ってもらえたら。そして何より、土台になっているこの習慣そのものは、これからも続けていきます。続けられることが、いちばん大事なので。
※ストレッチの効果や感じ方には個人差があります。痛み・しびれ・めまいがあるときや、首・腰などに持病がある場合は、無理をせず専門家に相談してください。特に首まわりは慎重に。

