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懸垂マシンはいらない!? 部屋に置けることより大切なこと

5畳ほどの部屋。ベッドと机のあいだの細い通路に、床から天井まで届く細い懸垂マシンが立ち、その脇を男性が通っているイラスト 🏃 フィットネス
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懸垂マシンを買おうか迷って調べていると、「いらない」という声に行き当たります。私も同じところで止まりました。家にはぶら下がれる場所がなく、買うつもりで調べ始めたのに、決めきれませんでした。

自宅での筋トレ自体は5年以上続けていて、そのあいだに買ったのはバランスボード1つだけです。ジムにも通わずプロテインも飲まずにきました。ぶら下がる種目も、家にある子供用の鉄棒で斜め懸垂をしてきました。ただ、いま借りている部屋にその鉄棒はなく、持ってきたとしても、この広さでは置けません。

引っかかったのは置き場所でした。いまの部屋は広くないので、以前のような宅トレができません。子供用の鉄棒は、折りたたみ式とはいえ、思った以上に場所を取ります。それで、場所を取らない形の懸垂マシンを探しました。見つけたのは、床と天井で突っ張る細い1本のタイプです。測ってみると、置けることも分かりました。

それでも、まだ決まりませんでした。

懸垂マシンがいるかどうかは、置けるかどうかだけでなく、本当に自分が続けられるかどうか、そこが引っかかっているのではと思っています。

迷い方は人それぞれです。測ってみたらギリギリだった人、置けると分かっても踏み切れない人、ただ懸垂をやってみたいだけの人。どの場合でも、最後の一押しになる方法が1つあります。買う前に、同じ商品を1週間だけ借りて、自分の部屋に置いてみることです。

この記事では、その前に確かめておく3つ(天井の高さ・天井の設備・床と生活導線)と、借りた1週間で何を見るかを書いています。

 

「いらない」と言われる理由は、ほとんどが置き場所だった

「いらない」と言う人は、何を気にしているのか。検索して上のほうに並ぶ記事を読むと、挙がっている理由は決まっていました。多い順に並べると、こうなります。

  1. 場所を取る・邪魔になる
  2. 使わなくなる・続かない
  3. 処分が大変(大型の粗大ごみになる)
  4. 初心者には難しい
  5. 鴨居や公園の鉄棒で代用できる

並べてみると、挙がっているのは器具の性能の話ではありません。置き場所のことと、続けられるかどうかのこと。理由はこの2つに偏っていました。

「生活導線を妨げる」という言い方をしている記事もありました。一方で、ジムや公共の施設に通えばいい、という話はどこにも出てきませんでした。代わりに挙がるのは、公園の鉄棒くらいです。

どの理由も、当てはまるかどうかは部屋によって変わります。気になるのは、自分の部屋はどうなのか。まずは測るところからです。

 

置けるかどうかは、測れば分かる

置けるかは感覚では分かりません。私が順番に見たのは、天井の高さ、置く場所の天井にある設備、床と生活導線の3つです。

1. 天井の高さ

この部屋の天井は250cmでした(実測)。

高さで見るのは、器具が入るかどうかではありません。ぶら下がって体を引き上げると、頭はバーより上に出ます。床置きのスタンドは最大で220cm前後のものが多く、250cmの天井との差は30cmほどです。懸垂マシンを置けても、使うと頭が天井に近い、ということが起こります。

私が見つけたのは、冒頭に書いた床と天井で突っ張る細いタイプです。KENSUI kaku model1 という製品で、対応する高さは205〜270cm(5cm刻みの26段階)と表示されています。250cmは、この範囲の中でした。

もう1つ、測るまで見落としていたことがあります。天井の形です。

この部屋は四隅に柱の出っ張りがあり、天井に段差ができています。段差を避けて、しかも壁に寄せすぎない場所を探すことになります。壁際だと、ぶら下がって体を動かすスペースが取りにくいからです。

部屋の天井。四隅に柱の出っ張りがあり、天井に段差ができている

こうして絞っていくと、置ける場所はどうしても部屋の中央寄りになります。

2. 置く場所の天井にある設備

高さが足りても、その真上に何かあると話が変わります。見るのはダウンライト、火災報知器、エアコン、そしてスプリンクラーです。

私の部屋の契約書面には、特記事項としてこう書かれていました。

11階以上の居室にスプリンクラー設置。誤って振動を与えると誤作動の恐れ

読むかぎり、禁止とは書かれていません。振動で誤作動する恐れがある、という注意です。とはいえ、真下に置くのは避けたい。置くなら、管理会社に一度確認します。

壁に固定する形・ドア枠に付ける形についても、同じ書面に手がかりがありました。原状回復の要項には、借りた側の負担になるものとして次のように書かれています。

壁等のくぎ穴、ネジ穴(重量物をかけるためにあけたもので下地ボードの張替えが必要な程度)

私の賃貸契約は敷金がないので、退去のときに実費で請求される形になります。壁に穴を開ける形は、ここで候補から外れました。

突っ張り式も、天井と床を強い力で押さえます。跡が気になるなら、あいだに挟む保護マットを用意しておくと安心です。

3. 床と生活導線(ふだん歩くルート)

床の占有は、器具の型でまったく違います。ここを一緒くたにすると判断を間違えます。

型 床に接する面積 常時その場所を使うか
突っ張り式(KENSUI kaku model1) 18cm×18cm(床と天井に1点ずつ) 使うときだけ幅が要る(ハンドル取り付け時で幅は約100cm)
床置き式 接地そのものが大きい 常にその面積を占有する

買う前に、床に養生テープを貼って確かめられます。突っ張り式が常に場所を取るのは18cm四方ほどですが、使うときは1m前後の空きが要ります。例えばWASAIの懸垂マシンは、幅98×奥行80cmとなり、スペースが大きく必要となります。私も筋トレをした時の動く範囲を養生テープで貼ってみました。

筋トレをするときに動く範囲を、床に養生テープで示した部屋の写真

貼ってみて分かったのは、面積そのものより場所でした。常に取られるのは18cm四方でも、使うときは1m前後が要ります。その1m前後が生活導線の中心と重なるなら、置くことは避けたいと思いました。

 

どこまで負荷を上げたいかで、選ぶ形が変わる

懸垂マシンを置けると分かったあとに、もうひとつ考えることがあります。買ったとして、その形で続けられるのか、です。

厚生労働省の e-ヘルスネット「運動プログラム作成のための原理原則」 には、こう書かれています。

「過負荷の原理」ある程度の負荷を身体に与えないと運動の効果は得られないということです。

「漸進性の原則」…いつまでも同じ強度の繰り返しではそれ以上の向上は望めません。

同じことを同じ強さで続けても、そこから先には進みにくい。だとすると、選ぶときに見るべきは「今できるか」ではなく「この先、負荷を上げていける形か」になります。

同じページには、維持が目的なら必ずしもこの原則に従う必要はない、とも書かれています。いまの形を保ちたいだけなら、手元の環境で足りることもあります。

自分の体を引き上げる運動は、やり方によって負荷が変わります。負荷の順に並べると、こうなります。

形 かかる負荷 調整のしかた
斜め懸垂(角度で軽くする) 自重より軽い 角度で少しだけ
アシスト付きの懸垂(施設のマシン。体を持ち上げる動きは同じで、重さのぶんだけ支えてくれる) 自重より軽い〜自重(補助をゼロにもできる) 補助の重さを選べる
自重の懸垂(突っ張り式のマシン・施設のマシン・公園の鉄棒) 自重そのもの 調整なし
ラットプルダウン(施設のマシン。座ってバーを引き下ろす) 自分の体重とは関係なく、おもりで決まる 重さを選べる

上の3つは、自分の体を引き上げる動きです。ラットプルダウンだけは別の動きで、同じ「上から引く」でも、動かすのは体ではなくバーになります。

突っ張り式のマシンは、あとから重さを足せません。そのぶん形はいちばん単純で、置き場所さえ解決できれば長く続けやすい形だと私は思っています。

そして、自重の懸垂は思っていたよりきつい、というのが私の実測でした。

私は自宅で斜め懸垂を5回×3セットのペースで続けてきました。その状態で、施設のマシンで自重の懸垂をやったところ、3回までしか上がりませんでした。補助の重さを設定できるマシンでしたが、そのときは使っていません。自分の体重だけです。

自重がもろに負荷になるので、思っていたより回数を積み重ねることができませんでした。そのぶん、短い時間で負荷はかかります。自分の体重と腕力のバランスが試される感じでした。

ただ、懸垂マシンを買えばすぐ毎日こなせる、というものではありませんでした。斜め懸垂を続けてきた私でも、自分の体重を引き上げるのは別物です。そのかわり、自重の懸垂は、効率よく負荷をかけるには適したやり方だと思いました。

 

懸垂マシンでできるのは、懸垂だけではない

名前のとおり懸垂の道具ですが、それだけではありません。

KENSUI kaku model1 は、ハンドルの高さを5cm刻みで26段階まで変えられます。メーカーのプレスリリースによると、中央付近まで下げればディップス(腕を伸ばして体を上下させる種目)、いちばん下まで下げればプッシュアップバーとしても使えます。1本のバーが、高さを変えるだけで別の種目になります。

私が施設で使ったマシンも、1台で懸垂とディップスの2種目ができる形でした。自重のまま、懸垂は3回、ディップスは5回で限界でした。やり方はスタッフに教えてもらい、そのとき「大胸筋も鍛えられる」という説明を受けています。

では、懸垂とディップスは、どこの筋肉を使う運動なのか。私の感覚ではなく、調べた結果です。

懸垂は、どの握り方(順手・逆手)でも広背筋は同じように働く、という結果が出ています(Di Fonza ほか 2026・Journal of Functional Morphology and Kinesiology)。違いが出るのはそのほかの筋肉で、逆手では上腕二頭筋と大胸筋、順手では僧帽筋の下部のほうがより働く傾向が報告されています。

ディップスは、大胸筋と上腕三頭筋が主に働く、という結果が出ています(McKenzie ほか 2022・International Journal of Environmental Research and Public Health)。スタッフから受けた説明と、ここは一致していました。

どちらも、運動中にどの筋肉がどれくらい働くかを測った研究です。1台で懸垂とディップスができるなら、引く動きと押す動きの両方が同じ場所でできることになります。

 

私の場合、どうしたか

懸垂(斜め懸垂)は、単身赴任の前から住んでいる家にある子供用の室内鉄棒で代用してきました。今借りているこの部屋には、ぶら下がれる器具がありません。だから、この部屋にも懸垂ができる環境をつくろうとして、商品の選定や部屋のスペースの計測をしました。

結果は、「置けなくはない」でした。高さは十分で、スプリンクラーなどの設備も避けられます。突っ張り式なら床は18cm四方。

ただ、購入には至っていません。理由は2つ。

ひとつは、懸垂マシンを置ける場所が、生活導線と重なること。もうひとつは、自転車で5分ほどのところに公共の施設があることです。そこには回数券を買って通っていて、懸垂に近い種目が一通りできました。うちの施設の場合、回数券は11枚で5,000円、1枚のみ購入しても500円と財布に優しい額です。斜め懸垂より重い負荷も、そこに置いてあるマシンで選んで筋トレできます。

私の場合、今の部屋の環境や公共の施設で筋トレを続けられているから買っていないだけで、これができなければ KENSUI kaku model1 を買っていたと思います。

【関連記事】「引く運動がない」と言われたので、子供用の鉄棒で斜め懸垂を始めた ── 自己流筋トレ、弱点を直してみた

【関連記事】ジムに通わず、プロテインも飲まず ── シフト勤務で自宅筋トレを5年以上続けた話

 

迷うなら、1週間だけ借りて自分の部屋に置くのも選択肢

ここまで購入を検討しても、どうしても最後まで分からないことがあります。実物が部屋に立っているのを、自分がどう感じるか。テープを貼った四角を見るのと、そこに本物があるのとでは違います。

実は、懸垂マシンには短期レンタルが存在します。調べたときの価格はこうでした。

商品 7泊8日 月額 型
KENSUI kaku model1 7,980円 6,800円(最低3か月=20,400円) 突っ張り式
WASAI 懸垂マシン 7,380円(税込) 2,580円 床置き
STEADY ST115 8,800円 2,980円 床置き

短期(7泊8日)は最低利用期間がありません。月額のプランのほうは最低3か月なので、1週間だけ試すなら短期を選ぶ選択肢もあります。

送料は往復とも無料、返却は集荷を依頼するだけ、通常使用の範囲で付いた傷は、自己負担なしと書かれています。

KENSUI 本体を購入するとなると、39,800円からです。同じ商品を1週間だけ自分の生活導線に置いて確かめられるなら、先に借りるほうが確実だと思います。

では、実際にレンタルした場合、どのようなことに注意したらいいのか。

見るもの 何を確かめるか
置き場所 日々の生活導線との兼ね合いは問題ないか
音 ぶら下がって降りたときの音と振動。集合住宅なら、騒音問題は避けたいところ
使った回数 レンタル期間での使用回数

3つ目が重要です。置いてあっても使わなかったなら、それが「いらない」の答えです。

※以下のリンクはアフィリエイト広告です。

→ KENSUI kaku model1(7泊8日のレンタル・GYMGATE)

→ WASAI 懸垂マシン(床置き・7泊8日のレンタル・GYMGATE)

→ KENSUI kaku model1 を買う(公式ストア・39,800円から)

 

まとめ

懸垂マシンはいらない、と言われる理由の多くは、「置き場所」と「使わなくなること」でした。ほかに、処分の大変さや、公園の鉄棒で代用できることも挙がっていました。どれも、自分の部屋と自分の生活で答えが変わります。

置けるかどうかは、測れば分かります。天井の高さ、その場所の天井にある設備、床と生活導線の3つです。常に取られるのは18cm四方でも、使うときは1m前後。その場所が生活導線の中心なら、置くのは避けたくなります。

選ぶ形は、どこまで負荷を上げたいかで変わります。いまの筋力を保ちたいだけなら、手元の環境で足りることも。斜め懸垂は自重よりも負荷が少ないため、頭打ちになります。もっと負荷を増やしたい場合は、自重や重りを備えたマシンも選択肢に入ります。

いるかいらないかを決める前に、自分が続けられるのはどの形か。そこから考えると、迷いの正体が見えてきます。 それでも決まらないなら、レンタルで借りて、自分の部屋に置いてみてください。

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